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相続不動産を売却するときの注意点

「不動産を相続したけれど、自分は他の場所に家族と住んでいて、相続した家に住む人がいない。賃貸にすると管理が大変だから売却したい。」これは、不動産売却の中でも多い理由です。相続不動産の売却は、通常の売却と比べて、手続きが煩雑になります。ここでは、相続不動産を売るときの流れや期限、注意事項などをまとめました。

相続不動産を売却するときの流れ

相続の決定

被相続人が亡くなったら、遺言書の有無を確認します。遺産と債務の整理もしましょう。債務が多い場合は、相続を放棄することもできます。資産と債務の内容を把握しなければ判断できません。遺言書や遺産分割協議で相続人の決定も必要です。相続放棄の手続きは、相続の開始を知った日から3ヶ月以内と期限が定まっています。プラスの財産の限度内で債務も相続する限定承認という相続方法もありますが、この期限も同じです。放棄・限定承認の手続きをしなければ普通相続が決定し、債務がある場合は返済をしなければいけなくなります。

準確定申告

被相続人の当年度分の所得の確定申告をしなければいけません。期限は、相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内です。

名義変更

相続した不動産を売却する際は、先に名義変更が必要です。名義変更後に、売却価格の査定を受け、不動産会社と媒介契約を締結します。不動産の売却活動が開始すると、内覧など都度必要な対応をしてください。名義変更から売却活動スタートまでは2ヶ月程度を考えておくといいでしょう。売却活動までに荷物は整理しておくとスムーズです。売買契約が成立したら、決済をして、家を引き渡します。決済が完了したら、確定申告が必要です。相続税の納税のタイミングに注意してください。相続税の申告と納税は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月が期限です。

相続不動産を売却する際の必要書類

相続不動産を売却する場合は、名義変更の上で売却手続きすることになります。必要書類は、名義変更に必要なものと不動産売却のために必要なものに分けて考えるといいでしょう。

名義変更に必要な書類

名義変更に必要な書類は、法定相続か遺言による分割か遺産分割協議による分割かによって異なります。遺言証書が自筆の場合は、先に家庭裁判所で検認が必要なので注意してください。

法定相続の際に必要な書類は以下の通りです。

遺言による分割に必要な書類は以下の通りです。

遺産分割協議による分割に必要な書類は次の通りです。

不動産売却に必要な書類

不動産売却に必要な書類は戸建てかマンションかなどによっても異なります。必須の書類は以下の通りです。

他にも住民票や銀行口座の通帳、ローン残高証明書などの提示を求められる可能性があります。物件のパンフレットやアスベスト使用調査報告書、耐震診断報告書は、あれば提出してください。マンションの場合は、マンションの管理規約・使用細則、マンション維持費関連書類も提出が必要です。

相続した不動産を売却した際にかかる税金

印紙税

印紙税は、不動産売買契約書作成時に必要な税金です。印紙を購入して契約書に貼り付ける形で納税します。印紙税額の基準は、契約書に記載されている金額です。1,000万円超~5,000万円以下は1万円、5,000万円超~1億円以下なら3万円など、契約金額が大きくなるほど税額も増えます。

譲渡所得税及び住民税

不動産を売却して利益がでると、その利益に対して譲渡所得税と住民税がかかります。税金がかかる売却益の計算式は、「収入金額―取得費―譲渡費用―特別控除」です。

相続した不動産の場合は、被相続人がその不動産を購入したときの購入代金と購入手数料と相続人が相続の際に支払った登記費用などを加算した額が取得費になります。

登録免除税

名義変更の際にかかる税金です。登記変更の種類によって税率が異なります。

その他の注意点

期限がある手続きに注意

相続手続きの中には、期限のある手続きがあります。相続の放棄と限定承認は、相続することを知ってから3ヶ月です。「被相続人の死亡日から」と勘違いしやすいですが、相続が発生したことを知った日が起算日となります。相続不動産の売却で特に注意したい期限は、相続税の申告と納税の期限です。相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月が期限のため、売却代金で納税したい場合は、10ヶ月以内に買主を見つけなければいけません。

相続登記を必ず行う

相続した不動産を売却する際は、必ず相続による所有権登記をしなければいけません。これを相続登記と言います。売買契約は、現所有者と購入者との取引です。所有権を被相続人から相続人に移動しておかないと、所有者不在での取引ということになってしまいます。相続登記を行う場所は、不動産が登記されている法務省です。遠方でわざわざ登記に行けない場合は、司法書士に代行手続きの依頼ができます。

相続前の売却も検討しておく

相続後に売却する場合、相続人が複数人だと遺産分割手続きが大変です。ひとつの不動産を複数人で分けるとなれば、そもそも売却するかどうかで揉めてしまうケースも少なくありません。また、相続で名義変更する場合に用意しなければいけない書類も膨大。被相続人の幼少期の居住地の役所まで出向かなければいけないケースもあります。相続前に売却しておけば、現金を分ければいいだけなので、遺産分割がスムーズです。「相続前に売却する」というのは、不動産の所有者が生前に不動産を売却して現金化しておくということ。生前に相続の話はしづらいと感じる人もいるかもしれませんが、家族で話しておくことも大切です。

相続不動産の分割方法

相続不動産をどのように分割するかによって、売却や財産分配のスムーズさが左右されます。主な分割方法には以下の4つがあります。

現物分割

相続財産をそのまま現物として分割する方法です。不動産を相続する場合、特定の相続人がその不動産を所有する形となります。この方法のメリットは、相続した不動産をそのまま単独で所有できる点です。しかし、不動産の価値が高い場合には、法定相続割合での公平な分割が難しくなるというデメリットもあります。

換価分割

不動産を売却し、売却で得た現金を相続人で分割する方法です。売却益を法定相続割合に基づいて分配できるため、公平に財産を分けやすいのが特徴です。ただし、不動産を売却する手間や費用がかかる点がデメリットとなります。

代償分割

特定の相続人が不動産を取得し、その代わりに他の相続人に代償金を支払う方法です。特定の相続人が不動産を所有できるため、相続後の不動産の利用や管理がスムーズになりますが、代償金を支払う相続人にとっては経済的な負担が大きくなることがデメリットです。

共有分割

相続人全員が法定相続分に基づいて不動産を共有する方法です。この方法は、相続人全員で不動産を公平に所有できるというメリットがありますが、共有者が増えることで将来的に売却しにくくなる可能性があります。また、所有者が増え続けることで、管理や意思決定が難しくなる点も課題です。

名義変更の必要性

相続不動産を売却する場合、名義変更を行う必要があります。2024年4月に、所有者不明土地問題の解決を目的として名義変更が義務化されました。

法定相続による名義変更

法定相続割合に基づいて不動産を共有名義に変更する方法です。不動産を売却する際、共有名義で売却を進めることができます。この方法は、売却益を公平に分けたい場合に適しています。

遺言による名義変更

遺言がある場合は、遺言書に基づいて不動産の名義を変更します。遺言が法的に有効であれば、遺産分割協議を経ずに、遺言書通りに名義を変更できます。ただし、遺言書と異なる内容で相続したい場合には、相続人全員の同意を得たうえで遺産分割協議を行わなければいけません。

遺産分割協議による名義変更

遺産分割協議は、相続人全員の話し合いによって不動産の分割方法を決定し、その後名義を変更する方法です。遺言書がない場合や、遺言内容に従わない形での相続を希望する場合に行われます。遺産分割協議には相続人全員の同意が必要なため、合意に至らない場合にはトラブルが発生することもあります。

不動産売却の流れ

相続不動産の売却には、いくつかのステップがあります。主な流れを確認しておきましょう。

不動産の相続手続き

不動産の売却を行う前に、まず相続手続きを完了させる必要があります。遺産分割協議や名義変更など、相続に関する手続きが完了したら、売却の準備に進めます。

不動産の査定

売却を進めるにあたって、まず不動産会社に査定を依頼します。複数の不動産会社に依頼することで、適正な価格を把握できます。

売却活動

不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。買い手が見つかったら、価格や条件について交渉を行い、売買契約を締結します。

売買契約の締結

売却が決まったら、売買契約を締結します。この際、相続人全員の同意が必要な場合もあるため、共有名義の場合には全員の意思を確認することが重要です。

引き渡しと精算

売買契約が成立したら、不動産の引き渡しと精算が行われます。この段階で売却益を相続人間で分配します。なお、税務申告も必要なため、忘れずに対応しましょう。

相続不動産売却時の税金

相続不動産を売却する際、所得税や住民税の課税対象となる場合があります。具体的には、売却益(譲渡所得)に対して課税される「譲渡所得税」が発生する可能性があります。

ただし、譲渡所得には「取得費」や「譲渡費用」が控除されるため、これらを正確に把握すれば税負担の軽減が可能です。さらに、居住用財産の売却であれば、3,000万円の特別控除が適用されるケースもあります。

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リフォームはするべきか?

不動産やマンションの売却時にリフォームをするべきかどうかは、多くの売主にとって重要な問題です。ここでは、リフォームのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

リフォームした場合のメリット

リフォームを行うメリットは、物件を高く売れる可能性が高まることです。古くなった床や壁の汚れや傷をリフォームすることで、物件の見栄えが良くなります。キッチンやバスルーム、洗面所の水栓金具を最新のデザインに変更することで、古臭さを払拭し、現代のライフスタイルに適応した印象を与えることができます。

例えば、30年以上前の住宅に見られるお湯と水を別々でひねるタイプの蛇口を、現在主流のシングルレバー混合水栓に変更するだけで、物件の印象は大きく変わるでしょう。このようにリフォームを行うことで、中古物件のマイナス面を解消し、結果的に高い価格で売却できる可能性が上がります。

リフォームのデメリット

一方で、リフォームには費用がかかり、その回収が難しいというデメリットもあります。リフォームをして物件の価値が上がることが期待できますが、必ずしもリフォーム費用を回収できるとは限りません。

例えば、2,000万円の物件に600万円のリフォームを施した場合、売却価格が2,600万円以上でなければ利益を得ることができません。しかし、リフォーム後の売却価格が2,300万円程度にとどまることも多く、その場合はリフォーム費用を回収できないばかりか、損失が出ることになります。

また、リフォームの際には一度古い部分を壊す作業が必要となるため、新築工事よりも費用が高くなる傾向があります。これらの費用を販売価格に上乗せすると、売出価格が高くなりすぎて売却が難しくなるリスクもあります。

金額を見てリフォームするか決めたほうが良い

リフォームするかどうかは、物件の金額によって判断することが重要です。一般的に、1,000万円未満の物件であれば、リフォームを行っても費用を回収できる可能性が高いとされています。

例えば、800万円の物件に500万円のリフォームを行った場合、1,300万円以上で売却できればリフォーム費用を回収できます。この価格帯であれば、買主が現れる可能性も高いため、リフォームが有効な手段となるでしょう。しかし、1,000万円以上の物件ではリフォーム費用の回収が難しいため、そのまま売却するほうが得策です。

基本はリフォームせず売却を進める

総合的に考えると、個人の売主がリフォームを行って売却するよりも、そのままの状態で売却するほうが得策です。特に1,000万円以上の物件では、リフォーム費用を回収するのが難しいため、リフォームを行わないほうが無難です。不動産会社に相談し、現状のままでの売却を検討することをおすすめします。

まとめ

相続は、不動産売却の中でもよくある売却理由です。相続不動産を売却するときは、被相続人から相続人へ名義変更をする必要があります。もちろん、相続しないという選択肢もあり、相続放棄をする場合は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に手続きが必要です。相続の際は、相続税を納税しなければいけません。納税は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。不動産を売りに出しているときでも、10ヶ月という期限は変わりません。もし、売却代金を相続税に充てようと考えていて現金で納税できない場合は、10ヶ月以内に決済まで終わらせる必要がある点に注意してください。

相続不動産の手続きは、名義変更と売却の2ステップで進みます。通常の売却で必要な書類に加えて、名義変更に必要な書類が必要です。相続の種類にもよりますが、被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本など、そろえるべき書類がたくさんあるため、不動産を相続するより現金で相続したほうが楽かもしれません。生前にご家族で話し合っておくことも大切です。

相続不動産の売却は、手続きが煩雑な上に、個別の事情によって異なります。分からないことは専門家に相談してください。このサイトでは岡山市で不動産売却をする際におすすめの不動産会社を紹介しています。不動産売却をする際に参考にしていただけると嬉しいです。

岡山市の不動産売却で
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引用元:ウェーブハウス公式HP
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引用元:すみふの仲介ステップ公式HP
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